株式会社カイユウは、六本木ヒルズ展望台 東京シティビューと共催で、平成に生まれたポップカルチャーを捉え直す展示「平成展 1989-1999」を2018年8月31日(金)から10月31日(水)にかけて開催します。
「平成展」は、平成の終わりという節目を鑑賞者自身の記憶と共に振り返る三連展として全3回を予定しており、会場となる小展示スペース「東京カルチャーリサーチ」にとってはローンチとなる、記念すべき最初の展示です。
第1回目の展示では、平成元年である1989年から1999年の初期10年を切り取り、アーカイブ。アーティスト・たかくらかずきによるVR作品展示、演出と連動させ、KAI-YOUの編集者たちが平成初期に重要な位置付けとなった作品群の解説を行います。
凄惨な事件や、震災を連続して目の当たりした平成初期は、日本にとって大きな転換期であり、これまでの「普通」が普通ではなくなりつつある、そんな雰囲気がありました。このような中で、テレビゲームが一般に浸透。80年代にはサブカルチャーとして語られたアニメや漫画も「ポップ」なものとして許容されていくようになっていきます。
既存の価値観が失墜をみせる中で育まれたコンテンツは、どのような形で社会や人々に影響を与えていき、またいまも続いていくのでしょうか。
全3回の「平成展」を通し、もうまもなく終わろうとしている平成という歴史の中で、いったいどのようなポップカルチャーが生まれ、次世代へと繋がっていくのか。この先の未来には何が待っているのかを考察します。
(展示イメージ) 制作:たかくらかずき
「平成展 1989-1999」開催概要
期 間:2018年8月31日(金)~10月31日(水)
時 間:10:00~22:00 (最終入館 21:30)※不定休
場 所:東京カルチャーリサーチ
(六本木ヒルズ森タワー52階 THE SUN & THE MOON内、約17㎡の小展示スペース)
入場料:無料(ただし、展望台・森美術館の入館料[一般1,800円他]が必要です)
作品制作:たかくらかずき
企 画:KAI-YOU、東京シティビュー
協 賛:株式会社マウスコンピューター
WEB:http://kai-you.net/heisei
問い合わせ先: 株式会社カイユウ info@kai-you.net
※「平成展 2000-2011」は2018年12月1日(土)から2019年1月31日(木)
「平成展 2011-2018」は2019年 3月1日(金)から2019年4月30日(火)にて開催予定です。
平成展開催に寄せて
30年という時間は、文明や人類史の中では一瞬の出来事だ。だが改めてその30年を振り返ろうとすると、か細い存在である我々人間が認知するには膨大な、様々な出来事や事件が広がっている。それは覚悟のある生き様だったり、切実な感情だったり、もしくは冷静に社会や他者を投影させたものだったりする。
その膨大な中から語り続けられたものだけが、物語や歴史となって参照され、後世へと繋がっていく。
今回の展示でみせるのは、平成と呼ばれた30年、特殊な島国の中だけで流れた、30年という時間に発生した物語だ。
その語り手を僭越ながら、KAI-YOUがつとめさせてもらうこととなった。
第1回は、1989年-1999年の10年間の物語だ。KAI-YOUの視点で、人や作品を恣意的、主観的に並べている。恣意的で主観的だが、選出の理由はテキストに記しているので、それを読んで欲しい。平成という時代の大きな一片を担う理由にはなっているはずだ。
展示の視座を明言しておく。平成という限られた、日本という狭い島国の、たった30年という時間がもしも、1,000年後にも参照されるとしたら、それはポップカルチャーの歴史としてだ。文化が教養ではなくなり、遊びの一形態として一部の特権階級以外にも支持されるようになった。あるいは遊びこそが文化になった。虚構が現実よりも力を持ち得た、かけがえのない30年だ。
演出や美術にはアーティスト・たかくらかずきに協力してもらった。彼はKAI-YOUのメンバーたちと同世代で、限りなく近い目線から平成という時間を見てきた仲間だと思っている。
誰かが死ぬ思いで生きたり、死んでいったりした30年が終わろうとしているが、情報や文化やメディアや、人の物差しは実はそんなに変わっていないような気もする。でも、常に新しいものや誰も描いたことのないものを求めて、文化は生み出されてきた。そうやって僕たちは前進してきた。
本企画は、30年という一瞬の時間を振り返って悦に浸るような回顧展ではなく、次の30年につながる希望の騙りだ。
KAI-YOU
クレジット
たかくらかずき
イラストレーター/ゲームクリエイター。1987年生まれ。ドット絵やデジタル表現をベースとしたイラスト/アニメーション/ゲームやVR作品を制作。劇団「範宙遊泳」ではアートディレクションを担当。2016年、pixiv zingaroにてグループ展「ピクセルアウト」を企画。2017年に個展「有無ヴェルト」を開催。2016年より「スタジオ常世」の名でゲーム開発を開始し、2018年にシューティングゲーム「摩尼遊戯TOKOYO」(まにゆうぎとこよ)をリリースした。
KAI-YOU
エンジニア、3DCG/UIデザイナー、編集者、映像ディレクター、プランナーからなる「すべてのメディアをコミュニケーション+コンテンツの場」に編集・構築することを目的とした会社。2008年より活動開始、2011年に法人化。月間2000万PVのポップポータルメディア「KAI-YOU.net」の開発と運営を中心としながら、次世代のポップカルチャーの在り方を探求する。Webやデジタル領域から、イベントや展示まで媒体を問わないプランニングも行う。
東京カルチャーシーンの継続的な研究と発表の場
「東京カルチャーリサーチ」
東京カルチャーリサーチは、絶え間なく変化する東京のカルチャーシーンを発見・研究し、その紹介をする場所。東京が生み出すカルチャーの中でも、特にマンガ、ゲーム、アニメ、メディアアート等を深く掘り下げ、「東京シティビュー」としての独自リサーチとセレクションに基づき「東京の文化的特異点」を感じる作品を不定期で展示していく。
スペース概要
名 称:「東京カルチャーリサーチ」
場 所:六本木ヒルズ森タワー52階 THE SUN & THE MOON内
約17㎡の小展示スペース
入場料:無料(ただし、展望台・森美術館の入館料[一般1,800円他]が必要です)
≪本件に関する報道関係者のお問い合わせ≫
【平成展について】
株式会社カイユウ / 米村・菱谷
TEL : 03-6452-5875 MAIL : info@kai-you.net
【「東京カルチャーリサーチ」・東京シティビューについて】
株式会社 プラップジャパン / 三浦・中野・梅木・須藤
TEL : 03-4580-9103 MAIL : pr.roppongi-hills@ml.prap.co.jp
森ビル株式会社 東京シティビュー広報担当 /杉・平田 TEL : 03-6406-6173